「CROSS TALK for STAFF」の企画・開発を担当された株式会社アイルの谷口幸義氏、星圭祐氏にMonacaを活用したアプリ開発プロジェクトについてお聞きしました。

Q1.「CROSS TALK for STAFF」の企画・開発背景を教えてください。

星氏　弊社では、これまでも人材派遣業界向けのITソリューションを展開してきました。その延長で人材派遣企業が登録スタッフとの間で従来型の電話やメールを使ったコミュニケーションがとりにくくなっているという課題を発見し、これを解決するために登録スタッフとの連絡専用アプリとして「CROSS TALK for STAFF」を提案させてもらっています。

2017年３月に販売開始をしたのですが、リリース直後から引き合いのお問合せも好調で、すでに数社でご利用いただいております。

Q2.HTML5ハイブリッドアプリ開発を選択した理由を教えてください。

谷口氏　数年前の別プロジェクトでは、HTML5ハイブリッドアプリのUIパフォーマンスの問題などから、それぞれiOS、 Androidのネイティブ開発をすることを選択しました。しかし、OSのアップデート対応などアプリの運用・管理に非常にコストがかかっていました。

今回のプロジェクトでは、当時課題だったUIパフォーマンスの問題もスマホ端末やその他の環境進化によってほぼ解消されていることが確認できたためHTML5ハイブリッドアプリ開発を選択しました。弊社はCROSS MALLやCROSS POINTといったクラウドサービスを提供しており、Webシステムの開発や運用サポートを得意としている会社であり、社内にWebエンジニアも多く、エンジニアリソースの調整という点でも大きなメリットがあります。

Q3.Monacaの導入効果について教えてください。

谷口氏　Monacaは学習コストが低くモバイルアプリ開発を始めることができる一方で開発の自由度が高いのが魅力でした。また開発者毎にMacを用意する必要もない点も弊社にとっては大きな導入メリットとなっています。実際に、案件毎にアプリのカスタマイズなどが発生するのですが、リリースまでの工数はネイティブ開発に比較して半減できていると感じています。

また、今回はOnsen UIを使ってUI開発を行ないましたがUIパフォーマンスにも非常に満足しています。「CROSS TALK for STAFF」のような業務支援系のアプリのUIであればネイティブ開発と遜色のないUIが実装できますね。

Q4.「CROSS TALK for STAFF」の今後の展開について教えてください。

星氏　まずは市場へのリーチのしやすさから人材派遣業界向けから始めた「CROSS TALK」シリーズですが、今後は他の用途にも横展開をしていきたいと考えています。例えば学校や塾と親の間での連絡網的な使い方だったり、企業間での連絡手段だったりと実際に別業界からの引き合いも来ています。

谷口氏　弊社は、これまでも様々な業界向けにカスタマイズ可能なパッケージ型の業務支援システムを展開してきています。今後モバイルの展開の強化も予定しており、業務支援アプリ開発にどんどんMonacaを使っていきたいと考えています。